法語掲示板

広済寺の法語掲示板 その70



 
昨年の十月末に前坊守が往生して、
早くも七ヶ月が経ちました。
 
家族が一人いなくなるというのは寂しいことですが、
時が経つにつれ、
新たな日常にも慣れてきたところです。

 
 
前坊守は、
もうすぐ四歳になる娘(前坊守からみれば曾孫)の面倒を
いつも見てくれていました。
 
小さな娘にとっては、
九十八歳のひいばあちゃんが
一番良い遊び相手だったようで、
友だち同士のようにケンカすることもしばしば。
 
いつも娘と同じ目線で
接してくれていたからなんでしょうね。

 
 
そんなかわいいケンカも
今では見られなくなってしまいましたが、
ことあるごとに
娘は「ひいばあちゃん」との話をしてくれます。
 
その話を聞く坊守(前坊守の娘)の嬉しそうなこと。
 
家族も皆が笑顔にさせてもらっています。

 
 
今は亡き前坊守が、
仏さまとなって今度は私たちの今を
育んでくれているようです。
 


広済寺の法語掲示板 その69



 
今年は忘れることができないお正月になりました。
 
1月1日、
16時10分に発生した能登半島地震。
 
年の始め、
まさに元旦に襲った大地震は、
私たちの心に深い爪痕を残しました。

 
 
津波に土砂崩れ、
火に包まれる輪島の朝市。
 
当たり前だったものが
突然奪われていく光景に、
荒れくるった現実の厳しさを痛感させられます。

 
 
世界に目を向けてみても、
先の見えない争いばかり。
 
「外のこと。自分には関係ない」としてしまう私も、
思いやりの心がくるった、
やはり鬼なのでしょう。

 
 
思うままにならない、
荒れくるう私たちの世界だからこそ、
仏さまは「ともに歩むぞ」と
一人一人に語りかけます。
 
分けへだてなく手を取り合おうとされるそのお姿が、
私たちに大切なことを教えてくれているようです。
 


広済寺の法語掲示板 その67



 
「『歩く』という字は
『少し』『止まる』と書く。
 
急がなくていい、
一歩一歩しっかり進んでください」。

 
 
これは今は懐かし、
三年B組金八先生の言葉です。
 
「歩」の漢字を見てみると、
確かに「少」と「止」の漢字が
組み合わさっていますよね。
 
面白い見方だなと思いつつも、
同時にとても大切なことを
教えてくれているように思います。

 
 
人生においては、
「立ち止まる」勇気が必要です。
 
上手くいかない時こそ、
気が立ってしまうもの。
 
そんな時は
大概まわりが見えなくなり、
自分自身も見えなくなっているのではないでしょうか。

 
 
日々の生活の中で
「立ち止まる」時間をつくることで、
まわりや自分も
また違って見えてくるかもしれません。

 
 
仏さまの前に座ることも、
きっと「立ち止まる」一つの姿なのでしょう。
 
大切にしていきたいと思います。
 


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